仮想通貨(暗号通貨)投資のメリット・デメリットは?初心者向けに解説

仮想通貨(暗号通貨)投資のメリット・デメリットは?初心者向けに解説

仮想通貨(暗号通貨)は、2009年に運用開始されたビットコインを代表とし、ブロックチェーン技術を活用した新しい通貨の形として注目されています。

2017年の仮想通貨バブルに続き2020年のコロナショックによる金融緩和の動きから再注目され、投資を検討している人も多いのではないでしょうか。

しかし、仮想通貨投資はFXや株式投資などと異なる性質を持った投資方法です。仮想通貨の仕組みや仮想通貨を取り巻く環境を知り、慎重に投資検討することが大切です。

そこで本記事では仮想通貨投資についての概要、メリット・デメリットを初心者向けに解説していきます。投資検討していた方は、ご参考下さい。

仮想通貨の仕組み・概要

仮想通貨(暗号通貨)とは、ブロックチェーン技術が利用された電子通貨のことを指しています。仮想通貨は国が価値を保証したり、管理を行わない通貨です。

日本円や米ドルなど、国が公的に発行している通貨を「法定通貨」と言い、法定通貨は通貨の価値を国から管理・担保されています。

仮想通貨の管理はブロックチェーンの台帳システムで行われます。簡単に言うと、公開されて誰でもやり取りが見れるノートのようなもので、利用者のみんなで管理を行っているようなイメージとなります。

仮想通貨でできること

2021年時点、仮想通貨が利用できることには、主に下記のようなものがあります。

  • 海外送金が手軽に安くできるようになる
  • ECサイトなどの電子決済に応用できる

これまで海外送金をする場合、送金に時間がかかることと銀行への手数料という2つのハードルがありました。銀行を介して海外送金をすると手数料で数千円の費用が掛かり、実際に送金が完了するまで1~2週間の期間を必要としていたのです。

仮想通貨を活用することで海外送金のコストを下げることができ、数十分で通貨を移動させることが可能になっています。

また、ECサイトの決済方法としても注目されています。例えば、日本から海外のECサイトでクレジットカードを利用して買い物をすると、現地通貨に変換されて決済が記録されています。仮想通貨はこのような工程を経ずに即時決済が完了します。

また、クレジットカードを利用するには決済額の1%程度の手数料を取っています。主には店舗側が負担することになっていますが、このような手数料が発生しない点もコスト面からメリットと考えられてます。

仮想通貨の課題

仮想通貨は新しい通貨として注目される一方、各国で規制する法律が定められています。各国の法律で主に懸念されているのは、反社会的な手段で集められた資金のマネーロンダリングに対するものです。

手軽に海外送金が可能な仮想通貨はこのようなマネーロンダリングの温床にもなり兼ねないため、各国で様々な法規制を敷いています。そのため、国が承認した仮想通貨取引所でしか口座開設が出来ず、本人確認書類の提出が必須となっています。

このような法規制の動きから、「仮想通貨を現実世界で自由に使えるようになるには、まだ時間がかかる」というような声もあり、実際の通貨としてではなく投資対象としての側面がクローズアップされてしまってます。

仮想通貨投資で利益を上げる方法

仮想通貨投資で利益を上げる方法として、以下4つの手段が検討できます。

  1. 現物取引
  2. 仮想通貨FX(証拠金取引)
  3. 裁定取引(アービトラージ)
  4. 先物取引

現物取引は、仮想通貨のレート通りに日本円で購入する方法です。仮想通貨取引所では0.001BTCから購入することが可能で、1BTC=300万円だとすると3000円から交換が可能です。

仮想通貨FXは、仮想通貨購入にレバレッジを使う購入方法です。証拠金を担保に実際よりも大きな金額を運用することができますが、価格が証拠金の担保性を下回ると強制的に取引が終了する「ロスカット」となります。

アービトラージは、仮想通貨取引所ごとに異なる仮想通貨の価格差を利用して取引する方法で、安く仮想通貨が購入できる取引所で仮想通貨を取得し、高く売却できる取引所で売却することで売却差益を得ることができます。手動でも可能ですが自動売買のシステムも開発され、月利5%程度の利益が見込めます。

先物取引はあらかじめ定められた期日までに決められた価格で決済することを約束する取引方法で、元手の数倍のレバレッジをかけることが可能です。仮想通貨FXとの大きな違いは、決済するまでの日程が定められている点です。

このなかで最もリスクが低い運用方法はアービトラージですが、各取引所に資金を分散させる必要があり多くの資金を必要とするデメリットがあります。

仮想通貨投資のメリット・デメリット

それでは、他の投資方法と比較した時の仮想通貨投資のメリット・デメリットについて見て行きましょう。

仮想通貨投資のメリット

  • 国が管理しない通貨で資産分散が出来る
  • 24時間/365日送金できる
  • ブロックチェーン技術に詳しくなる

国が管理しない通貨で資産分散が出来る

仮想通貨投資の大きなメリットに、国が管理しない通貨で資産分散ができる点が挙げられます。

法定通貨で取引を行うFXでは、各国間での情勢や政治的事情の影響を受け、価格変動が起きることがあります。仮想通貨は法定通貨ではないため、このような政治的な背景を受けずに資産分散できるメリットがあります。仮想通貨はデジタルゴールドとも言われ、経済状況が不安定になったタイミングで購入される傾向にあります。

ただし、仮想通貨は各国での仮想通貨規制の影響を受けることがあります。

24時間/365日送金できる

仮想通貨は特定の機関が管理している通貨ではないため、仮想通貨間の送金はいつでも行うことが可能です。

ブロックチェーン技術に詳しくなる

副次的なメリットですが、仮想通貨投資を行うことでブロックチェーン技術や各国の法改正のニュースなどに鋭敏になり、ブロックチェーンについて詳しくなっていきます。

ブロックチェーンは仮想通貨や電子決済だけでなく、不動産の登記や自然エネルギーのトークン化など、様々な分野で技術応用が期待されています。仮想通貨投資を始めることで、ブロックチェーン全般の知識を得られることは意外にも大きなメリットとなり得ます。

仮想通貨投資のデメリット

  • 価格の上下幅(ボラティリティ)が大きい
  • 実際の決済に使えるケースは少ない
  • 仮想通貨間での分散投資は効果が薄い

価格の上下幅(ボラティリティ)が大きい

仮想通貨は法定通貨とは比較できないほど、値動きの激しい通貨です。この原因は仮想通貨の流動性が低く、ボラティリティが大きくなってしまっていることが原因です。

値動きが激しいことで低リスクな資産分散先としては選ばれにくく、値上がり益を狙った投機的な側面がクローズアップされてしまっています。

実際の決済に使えるケースは少ない

仮想通貨をショッピングなどで利用できるケースはほとんどありません。これは仮想通貨が法定通貨として換算しなければ資産価値を担保できていないため、常に大きな為替リスクがある状態であることが大きな要因です。

ただし、2020年には電子決済事業のPaypalが仮想通貨での決済サービスを導入するなど、実際の決済に利用する動きは見られています。仮想通貨の普及に大きく関わるポイントのため、今後も注視していきたいポイントとなります。

仮想通貨間での分散投資は効果が薄い

仮想通貨は「法定通貨VS仮想通貨」のような対立構造になっており、例えばビットコイン(BTC)の価格が下がると、その他の仮想通貨の価格も合わせて下がるような傾向があります。このような状況では、様々な通貨に資産分散する効果が薄く、通貨をばらけさせる意味が薄い点も指摘されているポイントです。

まとめ

仮想通貨投資は今後期待されている分野の投資方法ですが、現在はまだ各国間での法規制や実際の通貨としての用途が定まっていないことから、不透明な部分の多い投資方法であると言えます。

仮想通貨を資産分散によるリスク管理の一環と捉えるのであれば、ポートフォリオの5~10%程度を目安とし、資産を集中させないように注意しましょう。

また、積極的にレバレッジを活用するのであれば、仮想通貨を取り巻く経済ニュースや、ブロックチェーン技術関連の動向にも注意し、慎重に投資判断をしていくことが重要と言えます。