米国株投資と為替の関係とは?初心者が絶対知っておきたい3ポイント
2020年に始まったコロナショックとその後の量的緩和政策により、米国株価は大きく反発し、NYダウも高値更新を続けてきました。
このような経済状況の中、米国株投資を始めた方、これから始めようと考えている方も多いと思います。
しかし、日本人が米国株投資をする際に注意しておきたい概念の一つが「為替」です。米国株は米ドルでしか購入できないため、日本円から米ドルに変換しなければなりません。
この為替の動きに注視していないと、株価が上がっても日本円に変換した時に想定した利益をあげられていない可能性もあります。逆に、為替の動向に注意することで、米国株投資のパフォーマンスを高めていくことにもつながります。
今回はこの「為替」について3つのポイントにまとめ、詳しく解説していきます。
なぜ為替は変動するのか
日本円や米ドルなどの、国が発行している通貨は「法定通貨」と呼ばれます。この法定通貨は、発行している国で税金を納めることができるお金となります。
例えば、日本に本社がある会社がアメリカへ商品を輸出し、米ドルで支払いを受けたとします。しかし、米ドルでは日本の法人税や所得税を支払うことができないため、日本円に変換する必要があります。
しかし、日本円の発行量には限りがあるため、多くの会社が同時に変換しようとすると需給バランスが崩れて円の価格が上昇します。これが為替が変動する大まかな仕組みです。このような背景があるため、決算期などのタイミングでは為替が短期的に大きく変動するケースも少なくありません。
米国株投資においては、これらの事情を踏まえ、「為替がなぜ変動したのか」という原因を確認することが重要なポイントとなってきます。以下、コロナショックの事例から3つのポイントを見ていきましょう。
米国雇用統計
画像引用:Yahoo!ファイナンス – Yahoo! JAPAN
重要な経済指標の一つである「米国雇用統計」の数値が芳しくない場合、金利引き下げなどの対策がとられることがあります。金利が引き下げられている状況では通貨の価値が下がるため、米ドル安の方に為替が変動していきます。
コロナショックにより、雇用状況が一気に悪化していることがわかります。
アメリカ 10年 債券利回り
緩和政策により、金利が大きく引き下げられています。
USD/JPY チャート
この3つの指標を見てみると、雇用統計の回復に伴い、債権利回り(金利)も上昇に転じ、ドルの価格も上昇していることがわかります。
ここで疑問なのが「日本も同じく金融緩和を行なったにもかかわらず、なぜ日本円の価値は下がらなかったのか」ということです。
これにはさまざまな要因があると考えられますが、主な原因としては、日本はもともと長期間のマイナス金利政策によって金利がこれ以上下げられないほどに下がっており、あらたな金融緩和の影響が比較的に小さかった、ということが考えられます。
このように、為替変動を考える場合、ふたつの国における事情やこれまでの背景を把握しておくことが重要になります。まずは、雇用統計、金利、為替チャート、この三つを確認していきましょう。
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