株式投資の仕組みやメリット・デメリットは?初心者向けに分かりやすく解説

株式投資の仕組みやメリット・デメリットは?初心者向けに分かりやすく解説

2020年の新型コロナウイルスの流行を受け、各国では金融緩和の経済対策を取りました。その結果、日本でも日経平均がバブル期以降初めての最高値を更新するなど、株式投資の注目度が上がっています。PCやスマートフォンで証券口座が解説できるため、本業の忙しい方でも比較的容易に投資を開始できる手軽さから、株式投資を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、株式投資は株価変動の値動きが激しく、リスクの大きい投資方法の一つです。投資する前には事前に知識をつけて、自身で投資判断ができるようになることが大切です。

そこで今回は株式投資初心者の方向けに、株式投資の仕組みやメリット・デメリットについて分かりやすく解説していきます。

株式投資の仕組み・流れ

株式投資で利益を得る方法は大きく分けて2つです。

  • 配当金(インカムゲイン)
  • 株価変動による売買差益(キャピタルゲイン)

2つとも重要な指標となりますが、株式投資でより重視したいのは売買差益(キャピタルゲイン)の方です。

株式は1株あたりの金額が「購入する人」と「売却する人」の釣り合いによって毎日変動しています。変動する要因には様々なものがありますが、原則として「投資先の企業が成長するか否か」という視点がポイントとなります。

企業の成長性は、上場企業が投資家向けに発表する「決算」で確認することが出来ます。この決算上の数値が良いと、成長性が認められ、株価が上昇していきます。

配当金が多い株は定期的に収益を得られるメリットがありますが、会社に残る内部留保を吐き出している形になるため、決算上の数値は悪くなってしまったり、適切な事業投資に回す資金が乏しくなる恐れがあります。結果的に株価が下がってしまうと、配当金以上の損失が出てしまうため、配当金と株価変動のバランスを取ることが重要と言えるでしょう。

株式投資のメリット

では、株式投資を他の投資と比較したときのメリットについて見て行きましょう。

大きな収益を上げられる可能性がある

株式の中には、数日のうちに株価が2~3倍になる銘柄も少なくありません。例えば、新型コロナウイルスの影響で大きく注目されたビデオコミュニケーションツールを提供するZoom Video Communications(ティッカーシンボル:ZM)の株価推移をみてみましょう。

Trading view

2020年8月11日時点で231.04ドルだったZMの株価が、9月1日には457.69、その後反落したものの10月19日には568.34ドルと、大きく変動しているのが分かります。

その後、ファイザーのコロナウイルスワクチン成功のニュースが報道され、需要減の懸念から株価は下がっていますが、適切なタイミングで売買を行うことで大きな収益を上げられる可能性があることが分かります。

手軽にPCやスマートフォンで投資ができる

株式投資は証券会社や銀行の窓口で口座を解説し、窓口や電話で購入することが主流となっていましたが、PCやスマートフォンのアプリケーションが発達し、手軽に投資を開始できるようになりました。

また、少額からファンドへ投資ができる投資信託や、クレジットカードのポイントで投資ができるポイント投資のサービスも増え、投資資金の少ない人でも投資を検討できる状況へと変化してきていると言えます。

取引手法が豊富

株式投資には、様々な手法があり、それぞれに合った投資スタイルを構築することが出来るメリットがあります。主な取引方法は下記です。

  • 現物取引
  • 信用取引(レバレッジ取引・空売り)
  • 先物取引

現物取引は手元の現金資産で株を購入する方法で、株価の値上がり益を期待する投資方法です。

信用取引は証券会社から資金を借りて投資する方法で、手数料の他に金利を支払う必要があります。手元の証拠金以上の資金を運用できたり、値下げりを予測して「空売り」ができるメリットがありますが、リスクも大きくなります。

先物取引は購入した金額の支払いを先送りにする取引方法で、証拠金以上の取引ができることや、空売りができることから、信用取引と似ています。ただし、現物市場とは別に先物市場が存在し、異なる市場で取引が行われています。

その他、株式投資は単一銘柄ごとに購入するだけでなく、平均株価に連動するインデックスファンドや、不動産運用に連動するREIT(不動産投資信託)など、投資対象となる商品も豊富で、様々な投資対象から自身にあった方法をカスタマイズすることが可能です。

株式投資のデメリット

次に株式投資のデメリットについて見て行きましょう。

毎日株価や経済ニュースをチェックする手間がかかる

株価の変動は他の投資方法と比較しても激しいため、毎日株価やけいざーニュースをチェックして株価が急落していないか、逆に上昇している株が無いかチェックする手間があります。

また、日本株の場合は平日の9:00から11:30までと12:30から15:00までの計5時間が取引時間になっており、仕事と株のトレードの時間が被っている方は両立するのが難しい面もあります。

仕事をしながら株投資をする場合は、長期的に株を保有する投資方法でないと難しい側面があると言えるでしょう。

リスクが大きい

株価の値動きは他の投資方法と比較しても大きく、大きな利益を得られる可能性がある反面、突然急落してしまうリスクを抱えた投資方法です。

このようなリスクに対処するには1つの銘柄に投資金を集めるのではなく、複数の銘柄に分散投資を行うことが重要です。しかし、その場合ある程度まとまった資金を必要とするデメリットがあります。

株式投資の始め方

株式投資を始める手順を解説します。大まかに分けて、下記のような手順です。

  1. 証券会社で口座を開設する
  2. 証券口座に投資金を入金する
  3. 投資銘柄を選ぶ
  4. 株価や経済ニュースをチェックしながら、タイミングを見て売却

証券会社で口座を開設する

現在、日本国内では様々な証券口座を開設することが可能です。証券口座ごとの違いには大きく分けて2つのポイントがあります。

  • 売買手数料
  • 取り扱い銘柄

証券会社によって、売買手数料が異なります。手数料は株取引に失敗して損失が出ていても必ず支払う必要のある経費となるため、安いほど良い指標と言えます。

しかし、手数料が安くても購入したい銘柄を取り扱っていない場合、その銘柄を購入することができません。口座開設には1週間程度の時間が必要となることからも、複数の口座を同時に開設しておくことがおすすめです。

証券口座を複数持っていると、IPO(新規上場)株の抽選に参加できるメリットもあります。口座開設自体は無料で行えるため、気になる口座は複数開設してしまいましょう。

証券口座に投資金を入金する

口座開設ができたら、証券口座に投資金を入金します。投資金は余裕を持たせておき、突発的に購入したい銘柄が出た時に対応できるよう備えておくと良いでしょう。

なお、ネット証券などでは入金や出金がすぐネット銀行に反映されるようなシステムを備えていることがあります。このようなネット証券口座は資金の移動がスムーズに行えるため、おすすめです。

投資銘柄を選ぶ

入金まで完了したら、投資銘柄を選びます。投資銘柄の選び方は様々な手法がありますが、ここでは大まかに「ファンダメンタル分析」と「テクニカル分析」の2種類についてご紹介します。

ファンダメンタル分析を簡単に開設すると、株を発行している企業の価値を決算情報や将来性から分析し、株が割安か割高かを判断する分析方法です。ファンダメンタル分析は株の本質的な価値を分析する方法となるため、長期的に運用する際に用いられることが多い方法となります。

一方、テクニカル分析は株価チャートの動きや機関投資家の動きなどから株価が「上がるか」「下がるか」を分析し、短期的な値動きを予測する分析方法です。この性質上、短期売買を繰り返す投資方法に用いられる分析方法となります。

どちらの分析方法も一長一短となりますが、自身の投資目的によってケースバイケースで手法を切り替えてみましょう。

株価や経済ニュースをチェックしながら、タイミングを見て売却

最後に、株を売却して利益を確定して株取引は終了になります。なお、株式投資においては利益が出ている株だけではなく、損失が出てしまっている株を売却して「損切り」することの重要性も高くなります。

特に、信用取引では証拠金以上の損失が出てしまった時に追証(投資金を追加して株取引を継続すること)をするかどうかの判断に迫られます。この時、株価が上がる可能性を冷静に見極め、時には売却を決意して損切りすることが重要になります。

売却タイミングは株式投資の利益を確定する重要なポイントとなります。経済動向をチェックしながら、適切なタイミングを見極めていきましょう。

まとめ

今回は、株式投資初心者の方向けに、株式投資の仕組みやメリット・デメリットについて解説しました。株式投資は大きなリターンを得られる可能性がある反面、リスクの大きい投資手法です。

株式投資を検討する際は、まずは少額資金から始めて、取引の手順や銘柄選びに慣れて行くことをおすすめします。単一銘柄ではない投資信託では100円単位で購入できるサービスも多いため、まずは投資信託から初めて投資することに慣れて行くのも良いでしょう。

株式投資を始めると世の中の流れや経済動向にも鋭敏になり、様々な知識を身に着ける機会にもなります。気になる方は、まずは口座開設から始めてみましょう。